【corin6巻頭特集】康生レトロ図鑑






☞東康生・西康生・本町・シビコ付近

戦後、復興の拠点となった康生通。昭和50年代には、シビコを始めとした大型ビル群とともに、周辺の商店街も成長し、高度経済成長を象徴するような賑わいを見せた。このエリアは各お店が一店舗として堂々と独立しており、外観も個性的なのが魅力。




今ではもう見られない、昔ふうのガラスと独特のデザインで形づくられる窓。

☞康生、二階の美学

◆康生通の建築群
康生を歩くときは、視線を少し上にあげてみよう。
二階から上だけ、昭和の時間がそのまま残ったかのような光景を見ることができる。戦後、力をつけた三河商人たちが様々な工夫を凝らして自らのお店を構えた。その個性的な建築群を眺めると、画一的なアーケード商店街とは一味違う風情を楽しむことができる。


二階を見上げると凝った装飾の建物が多いことに気が付く。つい楽しくなってしまうが、転ばぬよう足元注意。



☞あの頃遊んだ、懐かしのゲームセンター

◆シビコ1階 ゲームセンター
シビコの奥に迷い込んだ時、懐かしさを覚える光景に出会った。小さな頃、親に手を引かれて立ち寄った、デパート内のゲームセンター。並ぶオモチャとお菓子。クルクルとまわる電飾の光・・あの頃の感覚が、ふとよみがえる。


大樹寺松風540円(税込)

☞店に現存する、最も古いレシピ

◆大樹寺松風 540円(税込)
明治36年創業、115年目の老舗和菓子屋旭軒元直。主人曰く、和菓子は時代によって好みが変わるという。昔は「甘い」と売れたが、今は軽さや上品さが好まれる。
そんな中、変わらぬレシピでつくられ続けているのが、「大樹寺松風」。店主が生まれた時にはすでに店頭に並んでいた。一見カステラに見えるがモチモチ感と八丁味噌のはっきりした味に驚く。昔からの隠れファンも多い。


船の形の五万石 、お城スタイルのカーブが美しい店舗二階部分。

☞お菓子にまつわる昭和物語

◆五万石 162円(税込)
明治28年に創業した老舗藤見屋で、戦前から販売していた五万石。もち米の味とカリカリ食感で、噛むほどに美味しい素朴な味わい。当時は、棒状の型を生地の上で回して形を取り、お店の屋上で天日干してから焼いていたが、干した生地をスズメがつまんで持って行ってしまう事が良くあったらしい。
それを近所の子どもが拾って食べていたという、何とも微笑ましい昭和時代のエピソードも。お菓子に「五」「万」「石」の字がハッキリと出ているものはラッキー五万石♪ぜひ、探してみて。

☞西康生のレトロな看板たち

その看板たちは、「カワイイ」のである。
ビビットな配色は小粋な顔をして見せるし、個性的なフォントはここにいるよと主張する。レトロな看板には、足をとめたくなる魅力がある。


☞本町のパワースポット

◆本町通 晴明神社  
まち中を歩いていると、唐突にその神社は現れる。
入口にしつらえられた五芒星と「晴明神社」の文字がレトロな雰囲気を醸し出している。
平安時代、諸国を巡り歩いた安部清明公が岡崎市に居を構え、神夢により掘った井戸の霊水で人々を救ったと言い伝えられている。






☞連尺通り・八幡町付近

江戸時代から岡崎の商いの中心地として栄えた連尺通りを中心とした一帯。連尺通は「呉服通り」の愛称で呼ばれ、古くからの呉服屋が今も残る。付近では、京染屋や、二七市が開催される通りなど、喧騒から少し離れ、しっとりとした雰囲気を楽しめる。



和ろうそくの炎は揺らめき方が独特で美しい

☞和雑貨に込めた想いを灯して

◆一念燈3,600円(税込)
変らぬ素材、製法で作り続けられる和ろうそく。かつての身近な生活用品は、時代の移り変わりとともにレトロな雰囲気も併せ持つように。
磯部ろうそく店では「一念燈」という、和ろうそくにしか出来ないサービスを行っている。4×10㎝の紙に依頼者の願いを書き込み、和ろうそくの芯として巻きこんでゆくのだ。人の幸せを願う依頼も多いという。
世界で一つ、あなたの願いを込められた一念燈は、丁寧なやり取りの中で制作され、ご祈祷を経て手元に届けられる。





☞古さと新しさの融合空間

 ◆ams,外観・内観
連尺通にひときわ目立つ建物がある。
年代物の、どっしりとした青い瓦造りの二階部分と、白・水色の爽やかで現代的な一階部分。オシャレとレトロが合体したような、眺めていて飽きない、不思議な気持ちになるお店である。
店内は、ナチュラルウッドと白をベースとした、光あふれるお洒落な空間。
天井には古い木の梁が大胆に伸びてい
て、印象的で動きのある、ハイセンスな空間となっている。


☞昭和レトロのカリスマ作家

◆中原淳一グッズ162円(税込)~
昭和初期、少女雑誌の人気画家として一世を風靡した画家、中原淳一。戦後「それいゆ」「ひまわり」といった独自の女性誌を発刊し、女性たちへ「美しくあれ」というメッセージとともに、幸せに生きる道筋を示してカリスマ的な憧れの存在となった。お店の名前は、中原の雑誌「ひまわり」から。店内には中原淳一のステーショナリーコーナーが設置されている。中原グッズは店主のお祖母様の時代から置いているそう。価格は1000円未満とお手頃なものが多く、あか抜けたセンスに心奪われるうちに、自分にも、お友だちにもと、ついつい手が伸びてしまう。遠方からの来店があるほど、中原淳一ファンには堪らない場所なのだ。


建物は昭和32年に立て替えた。店名にちなんで、ひまわりのタイルがあしらわれている。種の部分はガラスになっていて、夜になるとライトに明るく照らされるのも、また趣き深い。


☞趣き感じ、まち並み歩く

◆連尺通
メインロードから少し奥に入ると、岡崎城下で最も古い町であり、かの有名な二十七曲りの一部に含まれる連尺通にたどり着く。ここでは江戸時代からある町のトレードマーク「ふくら雀」を歩道縁石などで見ることができ、ついつい探したくなる。静かな中にも、風格を感じられる町である。


☞二並びの京染屋

◆八幡町の京染屋看板
八幡町の通りを歩いていると、二つ並んだ京染屋さんの看板が目に入ってくる。すでに両方のお店は閉店しているが、着物がまだまだ身近だった、当時の様子が伺えるようだ。






☞籠田町・伝馬通・岡崎市役所付近

伝馬通の一帯は、岡崎藩主本多康重に整備され、本陣や旅籠といった宿場町として栄えた歴史を持つ。岡崎空襲の火災を逃れた、昔ながらの建物を見ていると、まるでタイムスリップしたかのような不思議な感覚にとらわれるのが面白い。



☞昭和を駆けた店主の記憶

◆FREE BIRD店内内装 
広島風お好み焼きと鉄板焼きのお店「FREE BIRD」。居抜きで借りて、友人たちと
一緒に手作りでアレンジしたという店内は、まさに「THE 昭和」である。人生で見
てきた景色をお店に取り込むうちに、こんな雰囲気になったそう。
今は珍しくなったカセットテープや歴代復刻版のビール瓶、バイク、車など、店主
が愛した昭和のモノで店内は溢れている。ハードロックから昭和歌謡曲まで楽しめ
る、センスの良いBGMも素敵だ。趣味やそれぞれの時代の物語を語らいながら楽しくお酒が飲める、なんとも居心地の良いレトロ空間である。
【FREE BIRDの情報はコチラ】

☞康生の二人の女神像

◆康生通・バーメガネの上/籠田町・ペンズアレイタケウチの建物裏
康生通の建物の女神像と対になるように、ペンズアレイタケウチの建物の裏側高く、白い女神が街を見守っている。
【ペンズアレイタケウチの情報はコチラ】


☞菓子職人の業と伝統の味

◆八丁味噌せんべい162円(税込)
1782年(天明2年)に創業した備前屋は、この辺りの和菓子屋さんとしてはダントツに古く、店の銘菓には、昔から多くのファンがいる。八丁味噌せんべいもその一つ。白あんと卵を混ぜた生地に粒みそを練りこんで、伝統の八丁風味に焼き上げている。現在は流し込みの製法に変ったが、昔は生地が今より固くて、金型にはさんで焼き上げていた。大正時代から作り続けており、お店の外には、当時使っていたレトロな金型が展示されている。
【備前屋本店の情報はコチラ】



松坂牛コロッケ259円(税込)と店内の古時計

☞戦火を逃れた明治の景観

◆永田屋本店店舗外観
明治23年に創業した永田屋本店は、精肉店として、今も市民の台所を彩っている。戦時中、この辺り一帯を焼き尽くした岡崎空襲。その戦火から逃れた平屋建ての建物は、明治時代のレトロなたたずまいを、今も残している。濃い緑色の屋根に金色の文字という重厚な外観は、まったく当時のまま。貴重なものとして、「岡崎市都市景観環境賞」を受賞している。
【永田屋本店の情報はコチラ】

◆となりのレトロ
隣やお向かいにも年代を感じさせる看板や建物を見ることができる。ここを歩いていると、違う時代にいるかのようだ。



☞日本人に最も身近な和菓子

◆おはぎ(あんこ・きなこ)110円(税込)
大正11年に創業した小野玉川堂では、昔ながらの製法として薪で焚いたあんこを使っておはぎを作っている。店主曰く、熱の浸透がゆっくりだからか、甘みもマイルドに感じられるそう。小さな頃に食べた記憶と共に、胸がじんわり暖かくなるレトロ菓子「おはぎ」を楽しんで。
【小野玉川堂の情報はコチラ】


平成19年12月には国の「登録有形文化財」に選ばれ、平成20年3月に登録。

☞目を引くレンガ造りの洋館

◆岡崎信用金庫資料館 
康生のメインロードを一本南に入ると、突然目に飛び込んでくる赤レンガの建物のインパクトは大きい。平成29年には築100年を迎えたこの建物は、当時の近代建築の第一人者、鈴木禎次氏の設計によって、大正6年に建てられた。岡崎産の御影石と赤レンガによって織りなされる「フリー・クラッシック様式」の建物は、当時、旧岡崎銀行本店として愛され、現在は資料館として、地域に無料開放されている。






☞松本町付近

徳川家康の父・広忠の墓がある松應寺の一帯。昭和の中頃まで,置屋や小料理屋が並ぶ三河地方有数の花街として賑わっていたという。全体的に昭和のまち並みが残っており、いい感じに朽ちたアーケードを歩く先に、ちょっとした別世界が広がる。



☞木造アーケードのトンネルを歩く

◆松本町松應寺横丁
松本町の通りから松應寺へとつながる道を入っていくと、今では珍しい木製のアーケードが備え付けられているのを見ることができる。光がさえぎられて薄暗いせいか、異世界へと続くトンネルを歩いているような気持になる。アーケードを抜けると、まるで時代をタイムスリップしたかのような木造建築が続く。昭和の花街だったころの面影は、そこかしこに見ることができる。

あえて昭和レトロなものを集めているお店も。見ていて飽きることがない。

ランプ一つとっても、今では滅多にお目にかかれない年代物。




☞個性豊かなシマウマたち

◆松本町御旗公園
公園におもむろに立ち尽くす、ちょっと、いやかなり短足気味のシマウマたち。最初は驚くが、慣れてくれば愛嬌いっぱいの顔付きに見えてくるから不思議。昔は近隣の二つの小学校に通う子どもたちで、争われたほどの人気の公園だったそう。今も週末の公園は、親子連れで賑わっている。公園に訪れる子どもたちを、シマウマたちはいつの時代も見守り続けている。



にぎわい市が開催される路地の様子。こじんまりとした店が並んでいる。

☞松應寺横丁のにぎわい市

◆松本町松應寺の周辺
2011年7月にスタートした「松應寺横丁にぎわいプロジェクト。昭和で時が止まったかのような風情ある景観を生かしつつ、趣味の手づくり作家たちが出店する「松應寺横丁にぎわい市」が開催された。今では年2回の恒例行事となり、このまちに訪れる人でにぎわう。
通常時も一風変わったバーやハンドメイド作品が並ぶ店、お洒落なケーキ屋さんなどのぞくと楽しい店が並ぶ。

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